2016 AES Show Report!Day1:KERWAX

 

アナログに強いこだわりを持つレコーディングスタジオ、KERWAXがワクワクするようなアナログデバイスを展示!

 

フランスの緑あふれるBrittany地方の広大な農業学校あと、アナログ機器に徹底的にこだわったレコーディング・スタジオ「KERWAX ANALOG RECORDING STUDIO」は存在しています。

 

http://kerwax.com/

 

私自身もその存在は知らなかったのですが、リビングルームやバスルームも完備し、開放的な庭でBBQをしながらリラックスした環境でレコーディングを行うことが出来そうですね!

 

しかし、そのKERWAX ANALOG RECORDING STUDIOは、既存のアナログ機器では飽き足らず、なんと自前で自分達の欲しいサウンドの得られるデバイスを開発していたようです。
秋にパリで行われたAESでもお披露目されていたようですが、その存在感充分のデバイス群がLos Angeles会場でも展示されていました!

 

 

いきなりの「LONG LIVE ANALOG !」というキャッチフレーズに嬉しくなってしまいますね(笑)
それにしても、わずか3種類しか製品が展示されていないというのに、なんという存在感でしょう・・・

 

左から「Magnetic Head」「KERWAX Replica」「Stereo Tube Spring Reverb」となっていますが、名前だけでもなんとなくサウンドも想像出来そうな面構えです。

 

このうち、Replica / Stereo Tube Spring ReverbがKERWAX製品になるのですが、ムダにスペースを使っている、なんていうヤボな批判はやめましょう!(広大な敷地を持つヘッドクォーターだから出来るんだよ、とかね)
何と言っても、制作の現場でテンションを上げることの出来るアナログデバイスは貴重な存在なんですよ!

 

それでは順番にご紹介してみましょう。

 

KERWAX Replica

 

 

この5Uにもなる真空管アナログユニットは、Replicaの名前通り、KERWAX ANALOG RECORDING STUDIOのサウンドを再現する、要するにレプリカサウンドを実現するためのユニットです。
KERWAXのスタジオには、24chのカスタム・チューブ・ミキサーが備えられていて、その伝統的なサウンドに魅せられたユーザーが多く存在するそうですが、そのサウンドを再現するという訳ですね。

 

フロントパネルにあるVUメーターとむき出しの12AX7真空管がやる気をそそりますが、このReplica、真空管をLR各チャンネル2本ずつを割り当てられている、2chプロセッサーなのです。
バランスXLR In/Outの他、DI / Line用のTRSも備えているのですが(切換スイッチ付き)フロントパネルに取り付けられているノブは、Treble / Bassなどの基本的に誰でも使えるくらい、シンプルなものになっており、なんとなくギターアンプを想像させてくれます。
DriveやGainがあるところなんかもギターアンプ的ですね(笑)

 

内部も基盤が基本になっているようなものではなく、ほぼディスクリートで組上げられており、会場の限られた環境での視聴でも、上質なアナログサウンドを堪能することが出来ましたよ!
販売価格は未定ですが、すでにPre Orderも始まっているようで、今後の展開に非常に興味が持てますね!

 

La reverb c’est la vie(Stereo Tube Spring Reverb)

 

 

フランス語でレタリングされている5Uユニットと、3Uコントロールユニットで合計8U(!)にもなる、その名の通り真空管スプリング・リバーブ、それがLa reverb c’est la vieです。

 

デジタル・エミュレーションやコンボリューション・リバーブなど、デジタルユニットやプラグインでも相当な進化を遂げたと言えるリバーブレーターですが、鉄板やスプリングの味わい深さまでは再現しきれていない、と個人的には思っています。
しかし、いまさらリバーブルームを増設したり、鉄板を置くスペースを用意したりするのは現実的ではないですね。
そういった意味で考えると、KERWAXのリバーブユニットは充分コンパクトで、スプリングと真空管の味わいを堪能出来る、そうは思えないでしょうか?

 

内容を見ていくと、5Uユニット内が3つに仕切られており、SHort / Medium / Long用のスプリングが設置され、真空管の入っている3Uコントロールユニットでその切り替え、Dry / Wetミキシング、Depth / Color / Livelinessをコントロールします。
Shadow Hillsを思わせるMagic Eyeもすてきですが、サウンドもある意味期待を裏切らないアナログサウンドで、ここでも上質なギターアンプ用スプリングリバーブを思い浮かべてしまいましたね(笑)

 

こちらもPre Orderが始まっていますが、価格は未定となっているようです。
いずれにしても、ニッチながら大事なものを思い起こさせてくれるメーカーなような気がしました。
今後の展開も注視していきたいですね!

 

Magnetic Head

 

 

おまけとしてご紹介させていただくのは、アナログ2インチテープはもちろん、ハーフや1/4までをラインナップする、RECORDING THE MASTERS社の製品「Magnetic Heads」です。
このRECORDING THE MASTERS社、アナログテープだけをラインナップしている訳でもなさそうで、アナログのアセテート盤なども置いてあったのですが、きっとKERWAXスタジオもここから貴重なアナログマルチテープを仕入れているのでしょう(笑)

 

このMagnetic Headsは、実際のテープマシンではなく、既にスタジオにあるテープマシンを最高のサウンドで再生出来るようにする、というのを目的に開発されているのではないでしょうか?
考えてみれば、テープマシン自体がとうの昔に生産完了になったものばかりですし、サポートが完了してしまっているものがほとんどの状態です。
当然のコトながら、可動部分やヘッドなどのパーツも入手が難しくなってきており、なかでもヘッドに関しては代用が効くような製品も存在しないですもんね。

 

そういった意味では、アナログテープのサウンドに魅せられている人にとっては、願ってもない製品なのかもしれませんね。
まあ、聴き比べられるような環境ではなかったので、どこがどうちがったか?と言われるとなんとも言えないのですが(笑)

 

http://www.recordingthemasters.com/

 

ヨーロッパでは、KERWAXの代理店業務をRECORDING THE MASTERSが行っているようでもあり、こういった取組みが実を結んでいるのがうらやましい限りです・・・
私たちも仲間に入れていただきましょうか???(笑)

 


 

 


 

 

宮地プロフェッショナル事業部
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