2016 KBEE:関西放送機器展 弊社ブースのご紹介(アフターレポート)
今回の展示のコンセプトは、「クラウドコラボレーションを実装したPro Tools 12.5と、Satellite Linkを活用したローカルネットワークによる同期したシステム」です。
つまり、「物理的に離れていても楽曲制作/MAはリアリタイムに協業可能、そして逆に同じ部屋で2つ以上のシステムを同期して協業することも可能」ということです。
3つのシステムをSatellite Link/Video Satelliteにより同期をしていますので、向かって右側から詳細を見ていきましょう。
Avid S6コントロール・サーフェスと、Pro Tools HDX / DAD AX32による、システムその1です。
Satellite Linkを実際に組み込んでいましたが、本システムをアドミニストレーターに設定しました。
関西放送機器展では、Avid社のダニエル氏にもご協力いただき、S6がもつ最大限のパフォーマンスをお客様にご紹介しました。ご来場者様からのご質問や要望も多くいただきましたが、S6の素晴らしいところは「スイッチひと押しで機能にアクセスできるところ」です。設定しておいたEQやコンプレッサーを、任意のトラックにインサートするのはそれこそひと押しで可能ですし、プラグインのパラメーターを操作するのも一瞬です。この、すぐに機能にアクセスできるところは、アナログのコンソールと同じですよね。
初めてS6を見た方からすると、「デジタルすぎて難しそう」という印象を持つ方もいらっしゃるとは思いますが、実際にはとても簡単かつ便利です。
また、S6はファームウェアのアップデートにより、機能が常に拡張されています。今後のアップデートについても、ダニエル氏にうかがいましたが、非常に便利な機能が実装されるとのこと。
今度は左側をご覧いただきましょう。Avid S3コントロール・サーフェス + Pro Tools Dock + iPad、Pro Tools HDX / Horusによる、システムその2です。
このシステムで多くお問い合わせをいただいたのは、やはり新製品の「Pro Tools Dock」!「これを見に来た」という方も多くいらっしゃいました。
新製品ということもあり、私自身この機器展の前に触れる時間があまりなかったのですが、会場でさわってすぐに機能を理解できました。それくらいに、非常に感覚的かつ簡単に操作できます。
Artist TransportそしてArtist Controlが生産完了となり、これらの代わりになるものとして、このPro Tools Dockがあるわけですが、これら2機種以上のパワーを秘めています。
お問い合わせが多かった内容としては、「Pro Tools Dock単体で使用できるか? → はい、使用できます」、「Wifi環境がない環境でもiPadとの組み合わせは可能か? → はい、使用できます」などです。
これは私のおすすめのPro Tools Dockの使い方ですが、ミックスする際にすべてのトラックに同じEQをインサートします(もちろんこのインサートも、Pro Tools Dockで可能です。キーボード、マウスは必要ありません)。次に、ひとつ目のトラックのEQプラグインにアクセスして、パラメーターを操作します。このとき、Pro Tools Dockの上部にある8つの物理ノブを使います。物理ノブなので、ハードウェアEQを使っているかのようにEQできますよ。ひとつめのトラックのEQが終わったら、次のトラックのEQにアクセス。これは、iPadの画面をひと押しするだけです!8つのノブはパラメーターを自動アサインされますし、同じ場所にパラメーターがいるので、同じ使い勝手でEQができます。これ、すごく効率的ですよね。
最後に、真ん中のシステムをご覧ください。こちらは、MacBook ProによるMedia Composerのシステムです。MacとはThunderbolt接続によりDNxIOを使用して、4K対応のモニターで高解像度の映像を写していました。
4Kモニターにて、4K映像を何度も見ていましたが、生身の人間が実際にそこで見ている映像よりも生々しいというか、驚いてしまうほどの映像です。
こればかりは「百聞は一見に如かず」ということで、ご覧になりたい方は、ぜひ弊社プロ事業部までお問い合わせください。ご覧にいれます。
以上のように、3つのシステムはそれぞれが独立しても機能するシステムです。
機器展本番の前日が設置日でしたが、設置の際は、まず以上のように、3つのバラバラのシステムを組みました。それぞれがスタンドアローンで動作することを確認してから、Satellite Link/Video Satelliteにより3つを同期しました。設定は非常に簡単で、すぐに同期することができました。
※注意点としては、「それぞれをイーサネット接続すること(それぞれにイーサネットケーブルを接続し、それらをLANハブでまとめる)」、「Videoリファレンス・ジェネレーターから、同じクロックをそれぞれのシステムで受ける」、「HDのシステムはそれぞれにSync HDが必要」ということです。
これらをクリアーすることで、簡単にローカルネットワーク内で同期が可能です。
また、Pro Tools 12.5により実装されたクラウドコラボレーション機能。
こちらについても事前にあれこれ試しておりましたが、非常に「近未来的、将来性のある機能」と強く感じました。
この機能については、後日改めてレポートしたいと思います。
Miyaji Professional Divisionでは、Media Composerのシステム全般はもちろんのこと、Pro Tools HDXとのVideo Satelliteを含めたご提案を行わせていただいております。
お問合せはお電話 03-3255-3332 もしくは下記のお問合せフォームよりお気軽にどうぞ!
(文:Miyaji Professional Division:澤口)