Nuendo Report:NUENDO 7 製品発表会!話題の「Game Audio Connect」等々まとめました。


▶ NUENDO 7 製品発表会 for Game Audioレポート
7月3日(金)に開催となったNUENDO 7 製品発表会に参加いたしましたので詳細にレポートをいたします!
Cubase Pro 8の発表から半年以上経ち、7を心待ちにしていたNuendoユーザーの方も多いかもしれません。
場所はなんとカナダ大使館で、入場に際しては身分証の提示を求められるほど。
あいにくの天気ながら、期待度の高さからか私たちが会場入りした際には既に大勢の方が席に座られておりました。



開始早々のオープニングのムービーでは新機能群が次々に紹介されましたが、やはり最初に上がるのは「Audiokinetic Wwiseとの連携
恐らくWwiseという名前に聞き馴染みのない方が多いかと思いますが、その前にまずはNuendoとは何か?という点から説明から始めます。
 
▶ そもそもSteinberg Nuendoとは?


ポスト・プロダクションに特化した編集ソフトウェア、それがこのNuendoです。
Avid Pro Tools|HDラインナップと異なりCPUベースのためコンピュータの進化がダイレクトに反映されるのも特徴の一つです。

Cubaseとそっくりな見た目のこのソフトは、2000年頃に業務用の編集ソフトウェアとして誕生しました。
打ち込み制作/ミュージック・プロダクションのCubase、業務編集/ポスト・プロダクションのNuendo、そんな位置づけで考えていただけると良いかと思います。
Nuendoはバージョンアップを重ねるごとにTVや映画などポスト・プロダクション向けに進化を遂げ、現在はMA作業の鉄板ソフトウェアとして用いられています。今回の7では、DAWとしては初となるWwiseとの連携によるゲームオーディオへの親和性が注目を集めています。

 
▶ NUENDO 7の新機能について


最初に登壇されたのはセミナーなどでもお馴染み、株式会社 OM FACTORYの大島 崇敬氏。
Nuendoの最新バージョンとなる7には、先行して発売となったCubase Pro 8の新機能移植のほか、レンダーエクスポートなど業務用ソフトウェアとしての機能も追加されています。

・VCAフェーダー
 →複数のフェーダーグループを一つのVCAフェーダーで一括で動かせる機能です
・新プラグインの追加
 →銘機Quadrafuzzがv2として復活しMultiband Expander、Multiband Envelope Shaperが追加されています
・インプレイスレンダリング
 →MIDIをその場でAudioに変換し、置き換える機能です(元のMIDIはミュートされます)

※上記はいずれもCUBASE PRO 8にも搭載されています

また、作業時間の短縮に大きく貢献する効果的な機能が多く追加されています。

・レンダーエクスポート
レンダリング処理で何を行うかを詳細に設定することができます。
また、複数のファイルを選択し、それらを別々のオーディオイベントとしてレンダリングすることも、バウンスして一つのファイルにすることも可能です。ファイル名設定も可能なので、ファイル管理がだいぶラクになります…!

・プラグインマネージャー
プラグインの選択項目に表示させるプラグインを取捨選択できる機能です。よく使うプラグインだけを表示させておくことで、ひとつひとつの動作が数秒早くなる!との事でした。

・Reconform
MAの最中に急遽映像のカットが変わってしまった場合、今までは映像が変わってしまった場所を探し、いちいち手作業でオーディオデータの位置を修正していました…が、ReConform アルゴリズムが、新旧のEDL情報を比較することで映像の変更箇所を検出し、変更点のリストを作成/再配置してくれるため、手直しする手間を大きく省くことが出来ます。

 
▶ NUENDO 7 for game audio ◀


さて、続いてはいよいよ今回の目玉であるゲームオーディオについてです。
発表会でもこの説明に非常に長い時間が割かれる事になり、Audiokinetic株式会社の田島政朋氏によるゲームオーディオの制作フローの説明およびWwiseの解説からスタートとなりました。





DAWから書き出したWAVファイルやAIFFファイルを別の組み込み用PCと共有し、その後Wwiseなどのミドルウェア上でゲームに組み込むというのが一般的な方法ですが、これを統合しようというのが「Game Audio Connect」であるとのこと。



一般的に、音を作る人と音を鳴らす人が別、という事は表現においては不利に働きがちです。

例えばレースゲームだと、エンジン駆動音やトンネル内のリバーブ処理、環境音の変化などゲームフローに合わせて音をインタラクティブに変化させていく必要があります。こういった処理の実装についてはプログラマーの仕事で、上図のようにDAWからWAVファイルで書き出し、UnityやUnreal Engineなどゲームエンジン上でプログラマーが実装を行うというのが一般的でした。

音を作る人が実装にまで関わる事が出来る…これを実現するのがWwiseなどのオーディオミドルウェアです。

このWwiseのデモンストレーションとして、距離によって変化する銃声が紹介されました。



たとえば映画で銃撃があった場合、NuendoなどDAWの場合は何フレーム目に銃を撃つか?を予め指定してオーディオデータをタイムラインに配置して行きます。(タイムベースと言われます)
ただ、ゲームの場合は映画と異なり銃撃のタイミングや距離感がプレイヤーの操作に準拠するため、時間軸に対する音付けでは対応出来ません。そこで、イベント単位で音付けを行って行く必要があります。(イベントベースと言われます)
このように「銃を撃つ」というイベントがあった場合、上図のような4種類のオーディオソースを用意して、これらを組み合わせて再生する事によって銃声を再現しています。

赤軸はDistanceで、銃を撃ったプレイヤーの位置関係でY軸のDistanceが移動し、4種類のオーディオに対してフィルターを掛けたりエフェクトを掛けたり…などと色々な命令を出して音を再生しています。

 
▶ Wwiseとの連携の実演
会場ではNuendo上のファイルをWwiseに送り、またそれらをNuendoで再度編集するといった内容のデモンストレーションが行われました。



波形をGame Audio Connectにドラッグ&ドロップして転送しています。
もちろん複数選択をして一括でGame Audio Connectに送る事も可能です。
動画の通り、短いダイアログなら転送は一瞬のようでした。



また、Wwiseのイベントから「Edit in Nuendo」を選択すると即座にNuendoの画面が立ち上がり、再度Nuendo上で編集が出来るようになります。マーカー情報も記憶されており、複数の波形が混在するnprファイルでもぴたりと定位置に表示されます。これが非常にクレバーな機能で、会場からも驚きの声が上がっていました。

ダイアログなどは非常に多くの音声ファイルをNuendo上に展開する事になりますし、長期間に渡るゲーム開発で「このイベント時のオーディオ、元ファイルってどれだっけ?」となってしまった時も、この機能さえあれば一瞬でDAWでの編集に立ち返る事が可能です。
この制作時の「手戻り」を省くことができるソリューションがどれだけ効果的なものか容易に想像することが出来ますね…!
また、このGame Audio Connectはネットワークを経由して別のPCで利用する事も可能です。


▶ ワークフローの実演 ◀
10分間の休憩の後、後半はプラチナゲームズ株式会社の中越健太郎氏、山口裕史氏が登壇され、Nuendoベースでのワークフローを実演されました。



こちらは社内の様子(Nuendoだらけ…!)。BGMセクションとSEセクションの水平分業制で、全てのPCにNuendoがインストールされています。ソフトが同じなのでファイルベースで連携が取り易く、BGMはCubaseで制作したものをそのままNuendoに読み込んでいるとのこと。



説明はWii U専用ソフト『ベヨネッタ2』で実際に使用されたプロジェクトファイルを用いて進みます。
ご覧の通りトラック数が非常に多いですが、ステムを新機能であるVCAフェーダーでまとめて表示したり、プラグインをフリーズして読み込み時間を短縮したりと非常に多く工夫が見受けられました。



お馴染みbrainworxも登場!
Stereo Widthを若干広げて、Mono Makerで80Hz以下をモノラル化しています。Sideの余分な低域をカットしつつMono化してシメる事でタイトな低音を表現しています。



こちらはGame Audio Connectを用いて、キャラクタの足音を作成している様子。
ガシャーンガシャーンと機械音が響き渡ります。



その中身はMIDIベースで制作した効果音を新機能インプレイスレンダリングでAudio化したもので、Game Audio Connectを用いてそのままWwiseに取り込んでいました。Wwise上からNuendoに戻りたい時は、Edit in Nuendo→MIDIミュートの解除ですぐにMIDIでの編集に立ち返る事が出来ます。

講演者のプラチナゲーム中越氏からは「体感で、作業スピードが倍になった」との言葉もありました。(実際に実演でのNuendo↔Wwiseの連携は速すぎて写真で追えませんでした…!)
 
▶ 購入方法と価格について
型番が多いので、簡単にまとめてみました。



エデュケーションの場合は教職員と学生用で購入するパッケージが異なりますのでご注意下さい。
ご注文は下記ショッピングページよりどうぞ!

Steinberg Nuendo 7シリーズ



なお、青背景の7/M(1年間マルチライセンス)のみ、システムのご相談が必要となります。
上記のようなシステムのご用命は是非、MIYAJI Professional Divisionにお任せ下さいませ。

宮地プロフェッショナル事業部(Nuendo担当/井上)
http://www.miyaji.co.jp/proaudio/




また、なんとPro Toolsからのクロスグレードも発表されました!
こちらは7月6日〜11月30日の期間限定のパッケージとなります。追って情報をアップいたします。

取材:MIYAJI Professional Division 井上 / 宮地楽器神田店 神山

■メーカーサイト
http://japan.steinberg.net/jp/products/nuendo/new_features_7.html
宮地プロフェッショナル事業部
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