137th AES Show Report Day2:自在なモニタリング環境をIP over MADIで実現するVMC-102



あらゆるフォーマットに対応するため、MADIを有効活用するモニタリング・システム登場!Tac System VMC-102 Studio Monitor Controller


ラージフォーマット・コンソールがスタジオのメインシステムであった時代は、モニタリング環境を構築するため、コンソールのマスターセクションを使用するのが一般的でした。
しかし、DAWがスタジオの中心に据えられる様になると、オーディオ・インターフェイスでは自在なモニタリング環境を実現することが難しく、専用のモニタリング・システムを別途用意することが必然となってきたのです。
それに伴って、各メーカーが様々なモニタリング・システムをリリースしてきていますが、サウンド・クオリティを含めて、どれもユーザーの多彩な要求に応える、充分な機能を持ってい場合も多かったかもしれませんね。

しかも、4K / マルチチャンネル・オーディオ化が進むことが予想されるポスト・プロダクションの現場では、7.1chを超えるサラウンド・フォーマットをはじめとして、柔軟な運用が要求される様になってきています。
今回のAESでTac Systemが出展していたモニターコントロール・システム、VMC-102 Studio Monitor Controllerは、MADIを使用することによって大規模なチャンネル数を確保し、さらにMADIの帯域幅を使用してコントロール信号をエンベデットする、IP Over MADIよるコントロールの容易さを実現したものです。



VMC-102は、MADI入出力を備え、入出力のルーティングが可能なDirectOut Technologies ANDIAMOや、DAD AX32等のコンバーターと、MADIで接続することを前提に設計されています。
これであれば、最大で64chのシグナルを、あらゆるマルチチャンネル・モニター・システムへ送ることが可能となり、しかもコンパクトなシステム構築が可能になる、という訳ですね。
実際のシグナル・ルーティングは、ANDIAMO等のMADIルーティング機能を使用して、VMC-102からコントロールする、という事ですが、そのコントロール信号はMADI信号にエンベデットされる形で送られる様になるため、ケーブルの接続もMADIのみという、シンプルなシステム構築も可能になっているようです!

今回出展していたバージョンでは、USB接続によるコントロールとしていましたが、来春頃のリリース時にはIP over MADIが実現していると言う事です!

そのVMC-102の詳細について、Tac Systemの山崎氏にお話を伺いましたので、ビデオをご覧下さい!



本体のコントロール・インターフェイスに関しては、ビデオでよく見えないかもしれませんが、機能とタッチパネルで呼び出しの出来るアサインキーが快適な操作を実現しているようでした。
さらに、マスター・コントローラーのノブに配置されるLEDは、ヴォリューム量に応じて光が変化する様にも設定出来るという事もお伺いしましたが、もう少し機能を煮詰めていくのに時間が掛かるのかもしれませんね。

いずれにしても、ハードウェアとして完成しているモニタリング・システムの場合、機能を拡張するのが非常に困難なのですが、VMC-102であれば入出力にも余裕がありますし、新たなフォーマットに対応しなければいけなくなった場合でも、ソフトウェアのアップデートで対応可能という事が出来ます。
予定価格は40万円前後を予定しているそうですが、仮にANDIAMOを導入しなければいけないとしても、途方もないマルチチャンネル・モニタリングに対応出来るのであれば、コストパフォーマンスも高いと言えるでしょう。
正式なリリースが楽しみな製品だと思えますね!



さて、日本ではあまり導入が進んでいるとは言えないDADについて少し触れておくと(かなりの老舗メーカーではあるのですか)クオリティの高さで定評ある、AD/DAコンバーターのラインナップが主力であると言えます。
中でも、フラッグシップであるAX32では、8つの拡張スロットを使用して、最大48chのAD/DAまでのI/Oキャパシティを持ち、その他にもMADIやAES、DANTEを組合せることで64chを追加することも可能です。
その定評あるサウンド・クオリティとともに柔軟な運用を可能とするAX32を、モニタリングだけでなく、メインのAD/DAとして検討してみるのもいいかもしれませんね!

(取材:Miyaji Professional Division:梓澤/深澤 文:梓澤)






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